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【コーポレート・ガバナンス用語解説】取締役会実効性評価とは

近年のコーポレート・ガバナンス強化への関心の高まりを背景に、2015年6月、いわゆるコーポレートガバナンス・コード(以下、「CGコード」)の適用が開始されました。

そして「取締役会は、毎年、各取締役の自己評価なども参考にしつつ、取締役会全体の実効性について分析・評価を行い、その結果の概要を開示すべきである。」とされています。

ここでは取締役会実効性評価について解説していきます。


取締役会実効性評価とは


取締役会実効性評価とは、端的に表現すると、取締役会が期待されているその役割・責務をどれだけ果たしているのか?を評価する取り組みであり、制度のことです。


この取締役会実効性評価はCGコードの原則4-11および補充原則4-11③に次のように明記されています。



【原則4-11.取締役会・監査役会の実効性確保のための前提条件】
取締役会は、その役割・責務を実効的に果たすための知識・経験・能力を全体としてバランス良く備え、ジェンダーや国際性、職歴、年齢の面を含む多様性と適正規模を両立させる形で構成されるべきである。また、監査役には、適切な経験・能
力及び必要な財務・会計・法務に関する知識を有する者が選任されるべきであり、特に、財務・会計に関する十分な知見を有している者が1名以上選任されるべきである。 
取締役会は、取締役会全体としての実効性に関する分析・評価を行うことなどにより、その機能の向上を図るべきである。

補充原則
4-11③  取締役会は、毎年、各取締役の自己評価なども参考にしつつ、取締役会全体の実効性について分析・評価を行い、その結果の概要を開示すべきである。

日本取引所グループHP「コーポレート・ガバナンス」より


つまり、自社の「取締役会全体の実効性について分析・評価」を行い、「その結果の概要を開示」することが求められており、それにより自社の取締役会について継続的なPDCAプロセスを通じて、その期待されている機能を強化・改善していくことが取締役会実効性評価という一連の取り組みとなります。


取締役会実効性評価の分析・評価の方法


上述の通り、取締役会がその役割・責務を実効的に果たすためには、取締役会全体が適切に機能しているか、構成や運営状況等を定期的に検証し、課題を抽出することで、問題点の改善や強みの強化等の措置等を講じていくという継続的なプロセスが必要です。


そのための分析・評価に際しては、各取締役が自分自身及び取締役会全体についての評価を行うこと、つまりは自己評価の実施が議論の出発点になります。


自己評価による実施においては、主に取締役会構成員へのアンケート実施を定期的に行い、定点観測を行っていくことで自社の取締役会の有効性や実効性を評価し、改善のサイクルをまわしていく形になります。


また、分析・評価の独立性や客観性を高めるために、上場会社の判断により、外部の眼を入れた評価の実施も考えられます。

(英国では外部機関による評価が3年に一度求められています。)


評価の項目についても、実効性向上のための重要ポイントや優先課題の変化に合わせ、定期的な見直しが必要であり、そのためにも外部機関に委託している企業が多くみられます。


取締役会実効性評価の概要の開示


分析・評価の結果について、評価を通じて認識された課題を含め、適切に概要を開示することが求められています。


例えば、次のような項目について、ステークホルダーにわかりやすく示すことが必要です。


  1. 評価方法

  2. アンケート項目

  3. 前年度の実効性評価の結果として認識された課題への対応状況

  4. 本年度の評価結果

  5. さらなる実効性向上に向けた課題


開示の方法としては、自社のIRページにコーポレート・ガバナンスの項目を設けて、その中で開示をしている例が一般的に見られます。


また、取締役会実効性評価は毎年実施することが求められています。



会社により目指すべきコーポレート・ガバナンスのあるべき姿は異なります。


そのため会社により取締役会実効性評価のあり方も当然に異なります。


CGコードの中で求められている対応だから致し方なく実施する、と考える企業もあるでしょうが、少なからず会社のリソースが必要な取り組みです。


自社のコーポレート・ガバナンスのあるべき姿を描き、取締役会実効性評価を有効に活用すれば、いっそうの企業価値向上につなげられるでしょう。

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